寄り添える人になりたい

介護における心構えとは何かを教えよう。

介護職の初心者にも役立つ心構え

介護職の初心者に最も役立つ心構えとは何か?

それは「寄り添うこと」である。

具体的に例を上げて説明しよう。イスに浅く腰かけて「立ち上がる」「座る」を繰り返して、自身の動きを観察してみよう。イスから立ち上がる際に一度、頭を前に出し、お辞儀のような動作をしてから立ち上がっているはずである。介護の現場で、利用者の目の前に立ち、必死に上へ引っ張り上げて立ち上がらせようとする失敗を目にすることがある。
どこが失敗なのか?それは、利用者の目の前に介護者が立っているため、介護者の身体が邪魔で、誰もがイスからの立ち上がりの際にしているお辞儀動作ができないのである。
では、どうすれば良いのか?利用者の頭が上でなく、前か少し斜め下にいくように利用者の肘などを導き、お辞儀動作を手伝うのである。
こうすると、上に引っ張り上げようと頑張るよりも、はるかに楽に利用者を立ち上がらせることができる。

利用者の自然な動作に「寄り添う」のだ。言葉によるコミュニケーションでも、「寄り添う」感覚は役に立つ。

ある利用者が「リハビリになるから散歩しましょう」と介護者から呼びかけられても全く外に出ようとしなかった。他の介護者が「桜を見に行きましょう」と声をかけたところ、すんなりと外出できた。
これなどは「桜が見たい」という利用者の思いに寄り添った結果と言えよう。
また、食事を促してもなかなか食べようとしない利用者に対して、「この煮物は味がしみていて美味しいですよ」と声をかけると、少しずつ箸をつけてくれたというエピソードもある。
これもやはり、利用者の食に関する興味に寄り添った言葉だと言える。

介護の現場では、身体介護の技術でも、コミュニケーションでも「寄り添う」感覚があるとないとでは、天地の差が出てくる。「寄り添う」感覚を大切にして、利用者と介護者が共に快適な介護を目指そう。

 

他にも、初心者に役立つ情報が載っていたURLを紹介しよう。これを見れば、介護の仕事に就いても大丈夫だろう。→【http://shoshinsha-kaigo.net