寄り添える人になりたい

介護における心構えとは何かを教えよう。

利用者の個性に合わせたアプローチのヒント

介護職にとって、利用者の個性に合わせたケアは非常に重要な要素である。

それぞれの利用者は個々の背景や好みを持っているからだ。

利用者にとって、同じようなアプローチが必ずしも効果的とは限らない。利用者一人ひとりの個性を見極め、個別のニーズ合わせたケアを行うことが重要である。
まず、利用者とコミュニケーションをとる際には、「ゆっくりと話すこと」が大切である。急いで話すと、利用者が理解するのに時間がかかるかもしれない。また、急かされているように感じて、利用者が萎縮してしまう可能性もある。そのため、丁寧でゆっくりとした口調で話しかけることが前提だ。

また、利用者の好みや興味に「耳を傾けること」も重要だ。例えば、趣味や過去の経験について話すことで、利用者との共感を深めることができる。その上で、利用者が何を望んでいるのかを尋ねることも大切である。その要望に応えることで、利用者がより快適に過ごせる環境を作ることができる。

さらに、利用者が心地よく感じる環境を整えることも大切だ。快適な温度や照明、そして静かな環境は、利用者がリラックスして過ごすことができるようにしてくれる。そのため、周囲の状況に気を配り、利用者が安心して過ごせるように配慮することが必要である。
最後に、利用者との信頼関係を築くことが重要である。利用者が介護職を信頼していれば、より積極的に協力してくれるだろう。そのためには、利用者のプライバシーや尊厳を尊重し、常に親身に接することが必要である。

介護職の初心者にも役立つ心構え

介護職の初心者に最も役立つ心構えとは何か?

それは「寄り添うこと」である。

具体的に例を上げて説明しよう。イスに浅く腰かけて「立ち上がる」「座る」を繰り返して、自身の動きを観察してみよう。イスから立ち上がる際に一度、頭を前に出し、お辞儀のような動作をしてから立ち上がっているはずである。介護の現場で、利用者の目の前に立ち、必死に上へ引っ張り上げて立ち上がらせようとする失敗を目にすることがある。
どこが失敗なのか?それは、利用者の目の前に介護者が立っているため、介護者の身体が邪魔で、誰もがイスからの立ち上がりの際にしているお辞儀動作ができないのである。
では、どうすれば良いのか?利用者の頭が上でなく、前か少し斜め下にいくように利用者の肘などを導き、お辞儀動作を手伝うのである。
こうすると、上に引っ張り上げようと頑張るよりも、はるかに楽に利用者を立ち上がらせることができる。

利用者の自然な動作に「寄り添う」のだ。言葉によるコミュニケーションでも、「寄り添う」感覚は役に立つ。

ある利用者が「リハビリになるから散歩しましょう」と介護者から呼びかけられても全く外に出ようとしなかった。他の介護者が「桜を見に行きましょう」と声をかけたところ、すんなりと外出できた。
これなどは「桜が見たい」という利用者の思いに寄り添った結果と言えよう。
また、食事を促してもなかなか食べようとしない利用者に対して、「この煮物は味がしみていて美味しいですよ」と声をかけると、少しずつ箸をつけてくれたというエピソードもある。
これもやはり、利用者の食に関する興味に寄り添った言葉だと言える。

介護の現場では、身体介護の技術でも、コミュニケーションでも「寄り添う」感覚があるとないとでは、天地の差が出てくる。「寄り添う」感覚を大切にして、利用者と介護者が共に快適な介護を目指そう。

 

他にも、初心者に役立つ情報が載っていたURLを紹介しよう。これを見れば、介護の仕事に就いても大丈夫だろう。→【http://shoshinsha-kaigo.net